職場のいじめは家族を巻き込みます

 最近職場のいじめが問題になっています。会社の中でのいじめはある意味、子供社会よりも深刻で悲惨です。

 なぜなら会社でいじめにあっている人には家族がいるので、家族にまで多きな影響を与えてしまうからです。

 大人のいじめが関係のない子供に大きな影響を与えてしまうのです。

大人社会での、妬み、嫉み、ひがみ、嫌味、派閥争い、出世目的にした足の引っ張り合い、、これはもう子供以上に悲惨です

「どこにでもあること」「あいつにはそうされる理由があるんだよ」とどこにも相談できない環境を作ってしまいます。

 

 ある男性はたいへん仕事が良くできました。語学力に優れ五か国語に堪能で、会社の製品に関する特許を7つも取得していました。

 時期、部長として期待され、昇進すれば異例の若さでの部長でありました。でも個性も強い人であったためか、周囲に煙たがれ、春の人事異動では部長になれず、彼の部下が部長にされてしまいました。

 その後、彼は会社を休むようになりました、胃潰瘍の手術も受けるほど神経も病みました。家庭でも怒りっぽくなり、それまで、明るかった家庭はどんよりとした空気が漂うになりました。

 不登校ならず不登社になったのです。彼には三人の子供がいました。中学1年、小学校5年、3歳の末っ子です。

 長男は父親に反発するようになりました。でも一番大きな影響を与えてしまったのは次男でした。 

 家庭内の不安定な雰囲気から次男は精神を病んでいきました。顔が醜くなる恐怖に駆られ、おまじないをしないと顔が醜くなるという恐怖心に襲われました。

 かをが醜くなる場所は、教室を出はいりするとき、家の玄関、部屋からの移動、だんだんその場所が増えていきました。

 ひどい時は部屋から台所まで行くのに何十分もかかりました。集合写真でも顔を伏せていました。学校や家庭での奇妙なおまじない行動は周囲から奇異の目で見られました。

今では「顔面奇形恐怖症」という症状なのでしょう。

 どうしようもない苛立ちは彼をしだいに暴力的な行動に駆り立てました。すぐにキレ、机や椅子、本を投げまくりました。

 小数点3位を示す・・・はーで書きました。・・・だと家族がバラバラになる恐怖からーで書いてしまうのです。

 教師も母親もその行動を全く理解できませんでした。担任の教師は何度も母親を呼び出しました、職員室でも何時間も説教されました。でもただの一度も「心の問題に」は触れてくれませんでした。

 ある日母親は布団のそばで次男に「なぜそのようなことをするのか」問いただしました。

次男は「怪物が怖い」と言いました。顔が醜くなるのが怖いとは言えなかったのです。それはとても恥ずかしいことだと感じたからです。

 母親は勝ち誇ったように「これからは悪いテレビ番組や漫画は見せない」と言いました。

その子は漫画が大好きでした、ほっとする唯一の娯楽だったのです。

 最大の症状が悪化した時、夕方でした。雨戸を閉めているとき、トイレに行きたくなったのです、でも同時に顔が醜くなる不安も高まりそのおまじないをしないとトイレにも行けない状態になり、とうとう小学校5年生で自覚症状がありながら尿を垂れ流してしまったのです。悲しいのと苛立ちから彼は硝子戸をたたきました、もちろんガラスは割れました。

 情けないのと自分はなぜそのようなことで苦しむのか、耐え切れず大声で一人で泣き出していました。

 小学校6年にまもなくなる三月のある日、彼は家でおまじないをするの忘れて部屋を出ました。そのことに気が付いた彼は、急いで鏡で顔を見ました。

「何にも変わっていない!」急いで彼は母親のところに行きました。「ねえ、僕の顔へんじゃない?」

 母親にっこりうなずきました、なぜそんなことを子供が聞いたのかその理由は分からなかったでしょうが、、。

 その日、道路のどの角を回っても、教室に入ってもかれの心は動揺しませんでした。

その日を境に彼の奇妙な症状が消えました。

 ずっと後になって彼は母親からその頃父親がまた会社に行き始め、部長ではないけれど部長待遇の職を与えられ重役会議にも出られるようになったというのです。

 父親の才能を惜しんだ社長の計らいだったのです。

少年と家族はその後社宅を出て、引っ越していきました。新しい土地で少年は周囲に自分が荒れていたことを誰も知らないのだから、もう一度やり直そうと思ったそうです。

 でもいまだに心の傷は本当には癒えていません。

 自分を落ち着こうとさせるとき、自然に親指ですべての指をこする動作を彼はします。それは五人家族がバラバラにならないように少年時代に行っていたおまじないの動作の一つなのです。

 

 人には家族がいます、親もいます、子供もいます。

 妬みや嫉妬で人を処遇することがどんなに大きな影響を与えるかどうぞ知ってください。

それでも「どこにでもあることなんだ」であなたは済ますことができますか?

足の引っ張り合いをして人に不愉快な思いをさせて何が楽しいのですか?

出世のために人を蹴落として、その人の家族が悲惨な状態になって、子供がグレテしまっても「あああいつの息子だものな」で済ませてしまうのですか?